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MURA18実行委員

自然が大切な9つの理由

更新日:2020年10月13日

大会プロデューサー 田辺 慎一


アウトドア専門学校の教員と学生は、自然が大好きです。

天気がいい日は、外で授業しよう。そうしよう!

ということで、タープを張って。気持ちよさそうですね。


たまには頭でっかちになって、生態学的思考をしてみよう。

ということで、思いついたままをまとめてみました。




~自然の特性からみた「大切さ」~



■不可逆性

絶滅した種は復活しない(人も死んだら生き返らない)

⇒かけがえのないもの



■予測不可能性

自然は複雑で不確実性に満ちている(巡りめぐって人間に)

⇒人間は全能ではない(予防原則、順応管理が大事)



■循環性

自然はすべて循環している(人も死んだら土に還る)

⇒人工的には代替不可能(大気の循環など)



■冗長性

自然は余分(な多様性)を備えてシステム上のリスク分散をしている

⇒一見、無駄(な生き物)に見えても大切



■関係性(つながり)

自然はすべてつながっている

⇒人間だけでは生きていけない



■有限性

自然資源は無限ではない

⇒無駄遣いは禁物(足るを知るべし)



■共有(財産)性

自然はみんなのものである

⇒汚したり、壊したり、独り占めしたり、はいけない(世代内の公平)

⇒将来世代に引き継ぐものである(世代間の公平)

⇒人間以外の生き物とも共有するものである(生物間の公平)



■外部性

自然への人為は外部性をともなう(外部経済/不経済)

⇒他者への思いやり・気配りが大切

* 外部性: ある人の行為がお金のやり取りを介さず、他の人に損や得を与えること(損の例:初期の環境公害)



■不可視性

自然の価値・変化は見えにくい(人の心も同じ)

⇒目に見えないもの、ことが大切(空気、生態系サービス)

⇒sense of wonder を身に付けよう

⇒調査で「見える化」していくことが大事





【執筆者】


田辺慎一 MURA18実行委員会・大会プロデューサー

北海道生まれ。帯広畜産大学山岳部出身。自然資本主義。

北海道大学大学院地球環境科学研究科博士課程修了(博士・地球環境科学)。


生態学の視点から、人と自然の関係をデザイン・提案することがライフワーク。

日本生態学会論文賞(2002年)、日本森林学会奨励賞(2006年)受賞。


登山、薪割り、自家菜園、山スキー、本厄の年に始めたトレランで runに目覚め、妙高の18の山間集落を駆け巡る超ハードな山岳ロードマラソン「MURA18」をプロデュース。


ULTRA TRAIL Mt.FUJI(富士山周辺の山々を160km走る日本最大のトレイルランニングレース)年代別1位経験有。


ボルネオ島のキナバル山(標高4,095m)を中心とした国際的な生態系観測プロジェクトに参画、現地集落に1年半ホームステイし長期滞在型テレワークを経験。


国際的な生物多様性観測プロジェクト(IBOY:International Biodiversity Observation Year)において、マレーシア、インドネシアでの生物調査、現地スタッフ対象の生物同定トレーニングコースのマネジメント・講師を担当。


ロシア、中国、韓国、日本の里山を対象とした生物多様性観測プロジェクト(SBOY:SATOYAMA Biodiversity Observation Year)を提案、共同研究を推進。


北海道大学低温科学研究所研究員、金沢大学自然計測応用研究センター21世紀COE研究員、総合地球環境学研究所共同研究員、十日町市立里山科学館越後松之山「森の学校」キョロロ研究員を経て現職。


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